2020年2月頃から始まったコロナ禍でマスク生活にもすっかり慣れました。マスクなしで外出すると何かが足りない感じに気がついて、慌ててマスクを取りに帰るほどです。しかし、第8波がようやく収束し、厚生労働省は、「3月13日以降、マスクの着用は個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断を基本とする」と発表いたしました。新型コロナウイルスは、デルタ株までは健康な人にも肺炎を起こしたり、血栓症などの合併症を起こしたりして、命を奪ってしまう事もあり、致死率がそれなりに高い危険な感染症でしたが、オミクロン株に置き換わって本来の風邪ウイルスに落ち着いてきました。オミクロン株は急性上気道炎が主体で、ウイルス自体が肺炎を起こすことはほとんどなく、季節性インフルエンザと比べても、死亡率はほぼ同等かそれよりも低くなったようです。私自身、昨年10月に感染してしまいましたが、3日ほど微熱と喉の痛み、咳が出た程度で、5日ほどでほぼ治癒し、インフルエンザよりも軽い印象でした。もちろん、オミクロン対応ワクチン接種済みで、ワクチンにより軽症で済んだ可能性もあります。しかし、オミクロン株の感染力はインフルエンザの3−4倍と言われております。これが実は厄介で、医療機関、高齢者施設などでコロナ感染者が発生すると、瞬く間に施設内に広がり大規模なクラスターとなります。こうなると、医療機関の機能は麻痺してしまい、体力の落ちている高齢者が次々に亡くなることになります。マスク着用の最大の目的は、周囲の方に感染を拡げないことです。医療機関には感染に脆弱な患者さんや高齢者がたくさんおられますので、マスク着用緩和以降も当分の間、医療機関を受診時や医療機関・高齢者施設を訪問するときは必ずマスク着用をお願いします。

今城俊浩