2020.04.20更新

 所沢市域内においても新型コロナウイルス(COVID-19) 感染者が急増しており、4月15日の時点で74人になっています。

https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/smph/kenko/oshirase/

tokorozawa_corona.html#cms1938D

人口当たりの発生数をみると、県内ではだんとつの多さで、一般の診療所にいつどのような形で患者が来てもおかしくないという状況になっています。そこで当院でもさらなる対策を行うことにしました。
一つは受付する窓口に透明なビニールシートを設置しました(写真1)。また事務室と診察室にSHARP製の加湿空気清浄機(KC-30T6)を設置しました(写真2)。浮遊菌や浮遊ウイルスなどを強力に除去するフィルターを用いているということです。

またドアノブやカウンター、手すり、イスなどは1時間おきに次亜塩素酸水で清拭しています。窓はできるだけ一部を開くようにして、待合室、診察室に空気の流れを作るようにしています。今の時節では時折冷たい風が吹き込んできますが、やむを得ないことだと思っています。
所沢市医師会、および所沢市、市民医療センターとの協議の結果、市民医療センター内に発熱外来を設置するとの通知がありました。これは医師会員や成人の発熱患者にとってはありがたいことだと思いますが、乳幼児は新型コロナウイルス以外の原因で発熱することも多いので、これをすべてここに紹介するとなると、患者の過剰な負荷によって医療センターがそれこそ崩壊してしまう恐れもあります。私はやれる範囲で発熱患者を診療することにしました。
もちろん完全な感染防護用品はありませんが、できるだけ工夫して作りました。まずマスクですが、これは2009年に新型インフルエンザが流行した時に買いだめしたシゲマツ製のN95マスクの在庫がかなりありました。

顔面の防御は県医師会から紹介されたタイロン社のフェイスガードシートを購入しました。防護服は90Lのゴミ袋を買ってきて、頭と手が通るような穴を開けて、貫頭衣のようなものを作りました。イタリアの新型コロナウイルス感染者の治療を行なっている病院の映像ニュースで、看護師が「防護服がないのでゴミ袋を渡された。これじゃ自分の身は守れない」と叫んでいるのをみて、これは使えるじゃんと思ったのです。ゴミ袋に三つの穴を開けますが、あらかじめその部位にガムテーブを折り返して張っていることで裁断しやすく、穴の位置も確認でき、補強にもなります(写真3)。首を通す穴には10cmほど縦に切れ込みを入れると被りやすいです。手には普通のゴム手袋(Medicom Safe Touch Advanced Platinum L)をし、前腕はラップでぐるぐる巻きをしました。もちろん完全な防護服ではありませんが、かなりの安心感があります。
先日(4月16日)、午後に2歳の男児が発熱しているので診てほしいという電話がありました。昨日から39〜40度の熱が続いていて咳をしているということです。父親もその数日前から発熱と咳が出ていて、内科でレントゲン検査を受けたところ肺炎にはなっていないということでした。車で待機するようにいって、例の感染防護服を着て、手袋をし、前腕と聴診器にはラップを巻いて(写真4)車の中で診察をしました。元気そうで、一般状態は良く呼吸困難はありませんでした。またインフルエンザの迅速検査と毛細管採血による血液検査も行いましたが、インフルエンザは陰性、白血球は7800/μl、CRP;0.5mg/dlであり、肺炎を起こしてることはないので、2日間は自宅で様子見るように言いました。
医師会の先生方のメールを見ますと、内科の先生方のところには普通に新型コロナの患者さんがきているようです。PCRの検査がなかなかやってもらえないという報告もあり、所沢地域の感染の実態がリアルタイムで把握できない状況です。小児科の患者は必ずしも発熱と咳を発現してくるわけでなさそうなので、しばらくは緊張した診療を余儀なくされそうです。
             

写真1 受付のビニールシートの間仕切り

写真1

 

 写真2 シャープの空気清浄機

写真2

 

写真3 ゴミ袋を利用した防護服

写真3

 

写真4 発熱・咳患者を診療するときの感染防護スタイル

写真6

 

くさかり小児科 草刈章  令和2年4月18日

投稿者: 一般社団法人所沢市医師会

2020.03.10更新

               

 新型コロナウイルス(COVID-19) 感染者、および死亡者が国内でも増加しており、しかも感染源、あるいは経路が不明な患者も相当数いることから、市中感染の状態になっているのではないかと懸念されます。市内の医療機関には、感染の不安をもった患者が大勢受診されているのではないかと拝察します。とくに内科の開業の先生方は、このような患者の対応に苦慮されているのではないでしょうか。

 ニュースでは、肺炎で呼吸困難があり、新型コロナウイルス感染が疑われると医師が判断しても、保健所から検査を拒否されるというケースが少なからずあると報道されています。おそらく、実際の感染者は、国、あるいは自治体が報告する以上に多いのではないかと思われます。新聞報道では3月6日より本ウイルスのPCR検査が保険適応となりましたが、一般の医療機関から検査依頼をすることはできず、感染の恐れがある人は「帰国者•接触者センターに」に電話した上で、そこから紹介された全国に約860カ所ある専門外来を受診し、そこの医師の判断で検査を受けるようになるということで、これまでのやり方とあまり大差のない状況になります。一般の国民には、全ての医療機関で検査を受けられるという誤解を与えるのではないかと心配されます。開業医の窓口で「検査してくれ」、「ここではできない」、「なぜだ?新聞にはどこでも受けられると書いてあった。」などと文句を言ってくる患者が増えないようにと祈るばかりです。
 結局、一般の医療機関はそれぞれの創意工夫でこの危機を乗り切るしか、方策はなさそうです。私のところは小児科単科ですので、原則として18歳以上の発熱、咳の患者は内科を受診するよう勧めています。窓口での患者、あるいは保護者の渡航歴、接触歴のチェックも厳しくしています。また喘息等の慢性疾患で定期の処方の患者に対しては、電話再診で状態を確認し処方箋を発行しています。発熱や咳が続く患者は保護者の不安が強いため、できるだけインフルンザ等の抗原迅速検査、血液検査、百日咳菌核酸検出(LAMP)、マイコプラズマPCR検査等を行っています。とくにマイコプラズマ肺炎は熱と咳が遷延するため、新型コロナウイルス感染症と病像が似ており、とくに患保護者の不安が強いようです。当院では昨年6月に、院内で40分ほどで結果を出せるPCR検査機器Smart Geneを導入しました。陽性と判断した患者には、その日のうちにクラリスロマイシンを処方し、ほぼ全ての患者が翌日には解熱、咳も軽快するという効果を得ています。ある患者の母親は、子供が熱と咳が出ているというだけで、会社で「大丈夫か?出社を控えろ。マイコプラズマという証拠はあるのか?」などと言われたので、プリントアウトされた結果をスマホで撮っていきました。

 院内での感染防止対策に必要なマスク、消毒用アルコール、手指消毒機材も不足がちです。当院では、この騒動が起こる少し前に問屋から比較的まとまった量を仕入れていたのですが、その後は注文しても入荷しない状況が続いています。2ヶ月以上、このような状況が続くと在庫が切れるかもしれません。マスクなどの感染予防物品を大量に増産中と聞いていますが、ぜひ、医療機関に優先的に回してもらいたいと思います。

 私は、今までは診療は基本的にノーマスクで、また手洗いも水道水の水洗いだけでしたが、この状況になってから必ずマスクを着用し、発熱、咳の患者を診療した後は石鹸で洗った後にアルコールで手指消毒をするようになりました。COVID-19の患者が来ないことを祈るばかりですが、先日、当院をかかりつけにしているお子さんの母親が、自身が熱と咳が出たと受診してきました。会社に勤めていて、様々な人と面談する機会の多い仕事についています。内科を受診したらと勧めたのですが、「かかりつけにしている内科はなく、当院で持病の喘息の薬を処方してもらったことがあるので、先生、なんとか診てほしい。」と懇願されました。防護服などはありませんので、ビクビクの診察ですが、とりあえずインフルンザの迅速検査を行いました。陽性に出てくれと祈ったのですが、結果は陰性でした。喘息と漢方の薬を処方しました。その後、診察室や待合室を消毒しました。2日後に電話で確認したところ、解熱し咳も軽快したということでホッとしました。また11歳の児が発熱と咳を訴えて受診しました。数日前にイタリアから帰国した人と接触しているということで、車の中で待機してもらい、駐車場に出向いてインフルエンザ迅速検査を行いました。幸い陽性とでたので、改めて院内に入ってもらい、診察と処方を行いました。

 政府は小中高等学校の休学、大相撲や高校選抜野球の無観客開催など、国民に準非常事態のような行動をとるよう強く要請し、また国会では新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正に向けての審議を始めています。社会や経済に対する影響は測り知れませんが、私は止むを得ないことだと思います。これが功を奏してCOVID-19の感染者の減少、そして1日も早く流行の収束に向かうことを祈るばかりです。

令和2年3月10日

くさかり小児科  草刈章

投稿者: 一般社団法人所沢市医師会

2019.08.29更新

大腸がんは女性のがんによる死亡数の第一位です。男性では26,818人、女性は22,881人の方が大腸がんで亡くなっています。男性はおよそ11人にひとり、女性はおよそ14人にひとりが、一生のうちに大腸がんと診断されています。(2015年)。この20年で大腸がんによる死亡数は1.5倍に増加しており、生活習慣の欧米化が関与していると考えられています。大腸がんのリスク要因は、運動不足、野菜や果物の摂取不足(食物繊維不足)、肥満、飲酒、大腸がんの家族歴などです。早期の大腸がんには自覚症状はありませんが、進行すると、腹痛や排便時の出血、急に便秘や下痢になる、便が細くなる、残便感などさまざまな症状が現れます。肛門に近い場所の出血は赤く鮮明ですが、遠い場所では黒っぽく変色します。血液と粘液が混じっていることもあります。出血があれば「痔だろう」と自分で決めつけないで、医療機関を受診してください。大腸がんが発見されてから5年後の生存率は、早期(Ⅰ期、Ⅱ期)なら90%以上ですが、進行すると(Ⅳ期)20%以下になりますので、自覚症状が出る前に早期発見することが重要です。

大腸がん検診では、早期発見の目的で便潜血検査を行います。大腸がんやポリープがあると、便が腸内を移動する際に便と組織が擦れて血液が付着しますので、目に見えない微量の血液=潜血が便に含まれるかどうか調べます。大腸がん検診に申し込むと、検査キットが手渡されます。便の採取は自宅で行います。血液は便の中に均一に混ざっているわけでないので、専用のスティックで便の表面のあちこちをまんべんなく少しずつこすり取りましょう。潜血反応ではヘモグロビンという血液に含まれるタンパク質を調べますが、ヘモグロビンは、高い温度や時間がたつと壊れてしまいます。採取した便はできるだけ早く専用の容器に入れて冷蔵庫などの冷暗所に保管し、早めに提出してください。1日だけよりも2日間分の検体を取った方が精度は上がります。

昨年度の所沢市の大腸がん検診は、16,667人の方が受診され、便潜血陽性は1,498人、8.98%で、そのうち869人、58%の方が精密検査を受け、36人の方が大腸がんと診断されました。

投稿者: 一般社団法人所沢市医師会

2019.06.12更新

地中海と大西洋の二つの海に面するモロッコは、チュニジア、アルジェリアとともに、マグレブ三国の1つで、ムハンマド6世を国王とする王国です。マグレブとは、アラビア語で西方の意、太陽の沈む国を意味するそうです。「日出づる国」からはちょっと遠いのですが、ここの友人とは20数年来のお付き合いで、いつ行っても変わらぬ人情にほっとします。
モロッコでは先住民のベルベル人に、エチオピア人、ツアレグの遊牧民、さらにアラブ人が加わって多民族の融合が進み、肌の色は千差万別。一家族の中に黒人と白人ほどの違いが普通に見られます。必定、肌の色による差別感情は全く見られません。
国の真ん中を4000メートル級のアトラス山脈が走り、南はサハラの灼熱の荒野に繋がりますが、アトラスからの適切な雨のおかげで、北中部は豊かな農作物に恵まれています。おかげでおいしいものが沢山あり、中でも果物が素晴らしい!
首都はラバトですが、最大の商業都市はご存知のカサブランカ。ここが友人の拠点です。大西洋の海岸沿いに並ぶ地元の小さな食堂には、新鮮な海の幸が溢れています。アツアツのタジンの蓋を開けると、羊肉、牛肉、魚、野菜と、何でも大量。金曜日は、クスクスをいただきます。何にでもオリーブは無くてはならない食材で、独特のモロッコパンは、オリーブオイルをちょっと付けて食べると、パンのおいしさが引き立ちます。ナッツ類をたっぷり入れたパンケーキのお化けのようなパスティラは、みなで囲んで分けて食べます。ヨーロッパが起源だと思っていたお菓子の殆どは、モロッコに昔からあったもののようで、道端のお菓子屋さんには、面白い形のお菓子とそのディスプレイが楽しくて、注文するのに目移りがして困ります。
道端にはオレンジ、ザクロ、サボテン、イチジク、ブドウなどなど、山に盛った荷車が点在し、その場で飲むフレッシュジュースのおいしいこと。道行く人は、ズボンやスカートに混じって、民族衣装の人も半々くらいいます。フード付きのジュラバに、バブーシュ(スリッパの形)をはき、子供を小脇に抱えて買い物をする女性。車が走る大通りを、ロバも一緒に荷物をしょって働いています。足元のおぼつかないおばあさんが道を横切ろうとしていると、そばにいた青年がすっと手を差し伸べてサポートする、日本ではなかなか見られない風景ですが、ここではとても自然です。就学率は必ずしも高くない国ですが、イスラムの教えでしょうか。
毎朝、礼拝を告げるモスクの鐘と読経の声で目が覚めます。朝食はハリラスープでもいいし、薄く焼いたパンケーキにハチミツをたっぷりかけてもおいしい。いつもミントティーは欠かせません。今日はスークの香水屋さんを覗いてみます。モロッコは香水の一大産地で、フランスや日本の化粧品会社が農園を持っているそうです。私は、バラとオレンジのオイルが特に素晴らしいと思います。外に出ると空の深い青さが、ああ今モロッコにいるのだと実感させてくれます。

 

おうえんポリクリニック

並里まさ子

 

金曜日のクスクス

金曜日のクスクス

スーク

スークのオリーブ屋さん

 3

路上のザクロ売り・ジュースがおいしい

4

 お菓子屋さん

5

スークの香水屋さん 

 6

カサブランカの青い空

7

道行く人の服装

8

友人宅の玄関

投稿者: 一般社団法人所沢市医師会

2019.05.14更新

令和第一号となる所沢市医師会報5月号がまもなく出版されます。村上光伸先生撮影の表紙の敷島公園のバラの写真には、凛として存在感と生命力を感じますし、並里先生の帯状疱疹は興味深く拝見しました。私は平成17-18年頃(明確な時期を忘れました)から所沢看護専門学校での講義を委嘱され、アレルギーと膠原病の講義をしています。毎年、講義用のスライドをupdateし、試験問題もその年に実施された国家試験問題をできるだけ多く取り入れるようにしている。良い講義(自己評価)ができると学生はとても注目して聞いてくれるが、惰性で準備不足で臨むと寝てしまう学生が多い。赤津先生の所看・所准便り(第16報)には学校運営の厳しさとスタッフの大変な努力が感じられる。少しでもお役に立てる様、貢献して参りたい。

 

令和元年5月12日

ひろせクリニック

廣瀬 恒

投稿者: 一般社団法人所沢市医師会

2018.12.19更新

根岸の交差点から旧浦所街道を少し行くと左に外れる小道がある。この小道を少し下ると左手に川端霊園という都市開発の波から辛うじて生き延びている様な小さな霊園がある。ここに重松流祭囃子(じゅうまりゅうまつりばやし)の創始者である古谷重松(ふるやじゅうまつ)の墓がある。大太鼓、小太鼓、鉦、笛を用いたテンポのいい彼の祭囃子は、今日の所沢祭でも有名であるが、重松は江戸時代後期から明治初期にかけて行商として回った近隣各地でもこの祭囃子を広めた。
けやき内科 西脇正人

川端霊園

川端霊園

 古谷重松の墓

古谷重松の墓

投稿者: 一般社団法人所沢市医師会

2018.11.22更新

秋、11月の花と言えば菊ですが、今回は別の花をご紹介いたします。一般的には多肉植物でメセン(女仙)と呼ばれています。南アフリカ原産でハマミズナ科メセンブリアンテマム亜科に分類されています。リトープス属やコノフィツム属などです。リトは大理石、プシスは頂面というラテン語からの由来です。別名で太陽の子とも呼ばれるように、太陽の光が大好きで、晴れた日にしか開花しません。また「リビングストーン」(生ける宝石)とも呼ばれています。19世紀最大のアフリカ大陸探検を行ったスコットランドの著名な探検家(宣教師・医師)のデイヴィッド・リヴィングストンが、南アフリカの原野で気付かずに踏みつけていたのではないか思うと愉快です。ちょっとシュールな形ですが、乾燥した大地に最も適応進化した形態と言われ、動物などの食害から身を守るための一種の擬態です。原地では瓦礫混じりの荒めの砂漠にほとんど埋まっており、頂面のみ地表にあって、光を集めて光合成を行っています。成長点は根際にあるため、日本での栽培は特に湿度の高い夏期が難しいのです。秋から冬、早春が成長期で楽しめます。ちょっとマニアックですけどね。どうぞお楽しみください。

ひかり耳鼻咽喉科クリニック   村上光伸

(1)リトープス属・ 日輪玉

(1)リトープス属・ 日輪玉

 

(2)オフタルモフィルム属・ヘレイ

(2)オフタルモフィルム属・ヘレイ

 

(3)コノフィツム属・小米雛

(3)コノフィツム属・小米雛

投稿者: 一般社団法人所沢市医師会

2018.03.07更新

やはりというか、じりじりと高齢化は進んでいるようです。
都心部ではまだ若者は潤沢ですが、郊外の住宅地で子供の遊ぶ姿はあまり見かけなくなりました。とある新書本の帯に、「2年後2020年日本人女性の半分は50歳以上に」と衝撃的な言葉がありました。
空き家の問題も出てきているようで、ぽつりぽつりと我が家の周辺にも見受けられてきています。私の実家は北海道にあるのですが、予備軍(群)になりそうで心配の種です。積雪対策で頑丈に作っているのですが、駅からは幾分離れていますし、玄関に階段があるなどバリアフリーからは程遠く、高齢の両親が住み続けていられるかどうか。もちろん需要は期待できません。
 総務省の平成25年の統計では日本全体で空き家率13.5%、埼玉県だと10.6%で、この数字は増えることがあっても減ることはないでしょう。
実家から車で30分ほどのところにある先祖のお墓も今後の悩みの種になりそうです。
どんな解決策があるのか、最近は同じような経験を持つ先輩や友人、それに加え患者さんからも少しずつ情報を集めている次第です。

 

新所沢公園前クリニック 森田昌宏

投稿者: 一般社団法人所沢市医師会

2017.12.19更新

我が家も、そのテリトリーとする地域猫ブラッキーは

その名の由来どおり、全身真っ黒な毛で被われた若いオス猫です。
一年前、傷だらけの、まだら毛の、痩せこけた、貧相な猫でした。
数メートルの暗闇の向こうから、他の地域猫が食べる姿を、声も出さず、ただヨダレを垂らして、にらみつけているだけの猫でした。
どんなに空腹でも、気を許さない野生猫。
その姿があまりにも切なくて、知り合いのNPO、通称猫大使に、
急いで去勢をお願いしました。
それから一年。
見て下さい。黒々とした毛並みの艶々。しっかりした足腰。
今では彼は、堂々とこの地域のボス猫になりました。
そして今は、ニャー、ニャーと甘えた声で現れます。
いのちは本当にいとおしいもの。
ただし、相変わらず周囲への鋭い警戒の眼は怠りません。

所沢秋津診療所  平林多津司

 ブラッキー

投稿者: 一般社団法人所沢市医師会

2017.11.09更新

昨年の調査(日本)では、魚類や鳥類なども含めて何らかのペットを持っている家庭が三分の一あるそうです。その中犬は最多で14.2%、猫は9.9%でした。しかし年々犬は減少傾向、猫は増加傾向で、近いうちに犬と猫が逆転しそうです。犬は世話がかかるのと、高齢者の家庭では散歩が大変、というところでしょうか。

古くから人々は、愛玩動物と暮らしてきました。アニマルセラピーの効能はよく知られていますが、犬または猫を飼っていると、66%の家庭で“家族の会話が増えた”というデータがあります。また不安神経症のリスクを減らし、血圧が安定して心疾患を持つ患者の1年後の生存率が上昇したそうです。Medical News Todayに、動物が身近にいると、特に小児では、アレルギーのリスクが下がるとの報告がありました。これは衛生仮設を支持するものかも知れません。様々な「ペット効果」がネットでにぎわっておりますが、いずれも複雑な要素の入り込む調査ですから、信頼できるデータとするには、細やかな分析が必要かと思います。しかしペットが生活の場にいると、自然に笑顔になるのは確かでしょう。我々が訪問する介護施設で、子犬を飼っているところもあります。往診先のお宅に、でっかい猫がドデッと座っている光景は、忙しい中でもしばし心温まる光景です。ベッドに寝ているお年寄りの幸せ度が、少し高いように思いました。
我が家には猫が二匹います。8歳のタマ(茶トラのオス)と6歳のフク(三毛のメス)です。両者とも保護猫ですが、タマは生後4カ月まで獣医さんのところで大切に育てられ、フクは生後1カ月未満(獣医さん推定)で、顔中目ヤニにまみれて運ばれました。殺処分寸前で拾われたようです。獣医さんの指導の下、猫ミルクで育ちました。性格は大違い、おっとりしたタマとすばしっこくて元気を持て余すフクは、その後仲良く一つ屋根の下で暮らしています。両者とも、今や我が家の存在感ある家族です。夕食後のひと時は、この子たちとの一日分の濃厚な交流の時間で、性格の違いを楽しんでいます。猫は“家”が好きです。いつも家族と一緒にいたい。タマは休みの日など、家じゅうどこへでもついて回ります。活発なフクは、探検大好き。季節になれば、蝶やトカゲを追いかけて、時には小鳥を捕まえてきたこともあります。引き離して逃がしましたが、手負いの体で何とか生き延びてくれますように。我が家には、猫窓がいくつかあります。そのくぐり方が、性格を表しています。フクはダダ―と飛び込み、前足でハッタと止まってバーッタリ、歌舞伎役者が花道の七三で大見得を切るポーズ!一方タマは、前足をそっと忍ばせ、あたかも茶室の躙り口を、品を作って忍び入る風情。
動物の心を科学する分野は京都大学のお家芸ですが、近年猫の心理分析に取り組んでいます(CAMP-NYAN)。チンパンジー、オランウータン、犬、ラットの研究はすでに行われていますが、猫の本格的な研究は始まったばかりとのこと。餌やおもちゃで釣ろうとしても、気が向かなければそっぽを向く猫は、研究しにくいことでしょう。
猫を可愛がる人は結構いるようで、今年は猫ノミ騒動が何件かありました。猫ノミは、一見それとわかる特徴的な症状です。たまらない痒さで、かきむしりながら受診されます。ご本人も猫ノミであろうと充分自覚しておられるのですが、なぜかニコニコ、仕方ないなあといった様子で、猫ノミ退治とご自分の治療に励んでいただきました。
“自分の気持ち”で行動する、とっても気まぐれな猫。犬のように、お手もお座りもしませんが、その魅力は何でしょう?“人の顔色を見ないこと”、あくまで自分に正直で、“忖度しないこと”が私には魅力です。タマは、甘えたくなると、啼き続けて注意を惹きます。やっと仕事が終わり、早く一息つこうと夕餉の支度で忙しい時でも、自分に注意が向くまで要求し続けます。根負けして手を休め、しばらく抱きしめてあげると、満足してそばの椅子に座をて占め箱を作ります(香箱座り)。ヒトとネコ、異種の生物が通じあっている、と感じる至福のひと時です。

おうえんぽりクリニック 並里 まさ子

neko

 

投稿者: 一般社団法人所沢市医師会

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