我が家も、そのテリトリーとする地域猫ブラッキーは

その名の由来どおり、全身真っ黒な毛で被われた若いオス猫です。
一年前、傷だらけの、まだら毛の、痩せこけた、貧相な猫でした。
数メートルの暗闇の向こうから、他の地域猫が食べる姿を、声も出さず、ただヨダレを垂らして、にらみつけているだけの猫でした。
どんなに空腹でも、気を許さない野生猫。
その姿があまりにも切なくて、知り合いのNPO、通称猫大使に、
急いで去勢をお願いしました。
それから一年。
見て下さい。黒々とした毛並みの艶々。しっかりした足腰。
今では彼は、堂々とこの地域のボス猫になりました。
そして今は、ニャー、ニャーと甘えた声で現れます。
いのちは本当にいとおしいもの。
ただし、相変わらず周囲への鋭い警戒の眼は怠りません。

所沢秋津診療所  平林多津司

 ブラッキー